【事例 佐賀県】中高生の海外留学・研修年間200名目標を大幅に上回って達成

※これは平成30年(2018年)時点の情報です。制度、金額等は年度により変更になります。

 平成27年に定めた「-佐賀県総合計画2015-人を大切に、世界に誇れる佐賀づくりプラン」において、中・高校生の海外留学・研修(2週間以上)参加者を平成30年度までに年間200名を目指すとした佐賀県。

 その目標を1年前倒した平成29年度に、実績360名と大きく上回った。その要因はいったい何なのだろう。

 同県は教育振興課内にグローバル人材育成担当を配置している。中高生への留学促進の取り組みの柱は「助成金」「機運醸成」「体験活動」の3本。

1. 多彩な助成金の取り組み

佐賀県の中・高校生への助成金の取り組みには以下のものが挙げられる

  • (1)3ヶ月以上留学の高校生への上限50万円支援(23名)
  • (2)中・高校生の海外研修10万円支援(125名)
  • (3)佐賀県が企画する中・高校生を対象とした海外研修の実施(39名)
  • (4)未来のスペシャリスト海外研修助成事業(5部会)
  • (5)団体海外研修助成事業(4団体)
※それぞれ平成29年度実績

(1)(2)といった留学や2週間以上の海外研修に対する助成金で148名もの中・高校生に留学等支援を行っている。
 また、(3)(4)では県が企画するアメリカ2週間の21名(海外研修に係る経費のうち一人あたり10万円負担)をはじめとして、
オーストラリア1週間や、専門高校に係る研究部会(農業・工業・商業・家庭・福祉)の海外研修への助成を行い、引率する教員の費用負担も行っている。
(5)では、1団体あたり50万円を助成し、学校単位での海外研修の取り組みを後押ししている。

2. 機運醸成の取り組み

 機運醸成に向けた取り組みとして、助成金だけでなく、留学へ向けた周知・啓発として様々な取り組みを行っている。

  • (1)留学リーフレットの作成
  • (2)留学体験記の作成
  • (3)佐賀県グローバル人材育成Facebookの運用
  • (4)海外留学ガイダンスの実施
  • (5)グローバル人材育成のための講師派遣事業

(1)のリーフレットは毎年作成し、県内全中学生と高校1、2年生に配布(約46,000部)。
(2)の体験記も毎年作成して啓発に努める(約1000部)。
 また、保護者も情報を取りやすいFacebookを運用したり、実際に対面で啓発する留学ガイダンスも実施している。
 留学ガイダンスは助成事業の説明だけでなく、留学帰国者による発表や、留学団体による相談コーナーを設置するなど、積極的な取り組みを行う。(5)では海外での活動経験等を生かし各方面で活躍する日本人講師を学校に派遣し、グローバル社会において将来自分にどのような力が必要とされているのか等を考えさせるきっかけとしている。

3. 国内での体験的英語活動

 国内で行う体験的英語活動として、県内の中学校・高校等で行う授業や課外活動に県からネイティブ・スピーカーを派遣する「イングリッシュ・デイ」、民間施設で外国人コーチ相手に自分の英語でチャレンジする「英会話体験プログラム」、1泊2日の合宿により、ネイティブ講師の下、様々の活動を行う「英会話・国際理解合宿セミナー」を実施している。

 佐賀県ではグローバル化の進展に対応するため、中学生及び高校生に国際的な視野とコミュニケーション能力を身に付けさせ、国際社会で活躍する人材の育成のため継続した取組を行っている。

 このように、まずは海外留学等に関する情報の周知・啓発を行うことで、中高校生や保護者の海外留学等に向けた機運を高め、さらに国内においてネイティブ・スピーカー等との交流を経験する中で、日々の英語学習への自信、更なる英語学習意欲の向上、海外への興味・関心を高めている。
 これらの取組により海外留学や海外研修にチャレンジしたいと思う中高校生には、助成金により経済的負担の軽減を図ることによって、そのチャレンジする気持ちを後押ししている。

中高生の海外研修 中高生の海外研修

【事例】各自治体・教育委員会の取り組み(随時更新!)一覧へ

TOPへ